2017年7月27日、人気ラリーゲーム最新作『DiRT4』が国内でも発売された。
発売からおよそ1ヵ月ほど経ったところで、レビューというか簡単な感想を述べていこうかなと思います。(時間とれなくて、あんまりやってないんですけどね・・・・)
それで、今回のレビューは【システム編】【操作(パッド)編】【操作(ハンコン)編】の3構成に分けて、お送りしていきたいと思っております。
というわけで第1回目の今回は【システム編】をお送りします。
目次
選べる操作タイプで初心者から熟練プレイヤーまで楽しめる!
ラリーで走るのはアスファルトやコンクリートで舗装された道だけではない。砂利道や雪道など、グリップの効きにくいコースも走らなければいけない。また、道幅も車2台分無いくらいと非常に狭い。
それ故に、初心者は車をコース上で走らせるだけでも難しい。
しかし、前作の『DiRT Rally』とは違い、今作では【ゲーマー】と【シミュレーション】の2つのハンドリングスタイルから選択することが可能となっている。
シミュレーターモードにすれば、リアルかつシビアな“スリル”あるプレイが可能。前作の『DiRT Rally』にほどシビアな操作感ではないが、油断すればあっという間にお陀仏だ。
一方、ゲーマーモードはタイヤのグリップ力がとてつもなく高くなり簡単にスリップせず、車体荷重の変化によりバランスを崩して横転することも少なくなる。単純に言えば、早い速度でコースを走ることが出来るので、爽快感あるプレイが簡単に楽しめる。
本作最大のウリ【Your Stage】
Your Stageとは、自分だけのオリジナルコースを作成出来る機能。
ベースとなる5つの国からイベントを作成し、距離や難易度に応じて新たなコースが作成されていきます。
つまり、どういうことかと言うと、ソフトに初めから収録されている決められたコースだけで無く、誰も見たことのない新たなコースを0から創造することが出来るのです。
「何万通りものラリーコースが一瞬で作成可能!コース数の少なさに飽きることはありません!」(開発者談)
この機能に関しては賛否両論の声が
今作の目玉機能のひとつであるが、全体的に高評価・・・ではなく、賛否両論というところだろう。
【賛成】
- 毎回違うコースが走るので、新鮮味がある
- コースを覚えることが”不可能”なので、ペースノートに頼る必要があり、本物のラリー感がある
- 途中で故障車がコース脇に停まっているなど、思わぬアクシデントも再現されている
【不評】
- 道路幅が一定だったり、路面の変化が乏しいなど、作り物感のするラリーコース
- 背景が変わり映えしないので、結局飽きがくる
- コース幅・曲線・勾配などを弄れるわけではないので、自分が走りたいと思うコースは全然作れない
個人的にYour StageはGT6にあったコースメーカーに近い物を感じる。結局は自分で細かい項目を弄ることは出来ないし、背景もベースとなった国によって変わるな位で、そこまで魅力的な機能ではないと感じる。
ただ、一瞬でも油断したら即クラッシュなのは、今までのシリーズ通り変わらないし、コース脇に故障車が止まっているプレイヤーとしては嬉しいハプニングもあり、決してつまらないコースばかりではない。
欲を言うなら、前作『DiRT Rally』に収録されていたコース+Your Stageという風にして欲しかった。
DiRTアカデミー
アメリカのワシントン州に実際にある『DirtFish』というラリースクールの敷地内で練習できるモードというより、チュートリアルに近いだろうか。
アクセルブレーキといった基本中の基本のスキルから、ハンドブレーキの使い方やスカンジナビアンフリック(ペンデュラムターン)のやり方などのラリースキルを【運転方法の動画を見る→自分で操作して実践】の講座形式で勉強することが出来る。勿論、字幕から音声まで日本語に完全対応だ。
これが、結構役に立つ!
ぶっちゃけ、私は前作の『DiRT Rally』で、まともにゴールまで完走することが出来なかった。ゴール出来てもボコボコの廃車同然の状況だった。
しかし、DiRTアカデミーで勉強した後にもう一度走らせてみると、無傷と言わないまでもクリーンなラリーをすることが出来るようになっていた。
DiRT4のレビューではあまり話に挙がってこない本モードだが、購入したら是非プレイしてほしいと思う。
臨場感を感じさせるサウンド
レースゲームと言えばエンジン音がよく評価ポイントとして挙げられますが、私としてはラリーならではの環境音にも注目して欲しいと思います。
例えば、グラベルを走った際の砂利を巻き込む音、圧雪されたスノーコースを走る際のシャリシャリ音ですね。エンジン音にかき消されて、走行中はほとんど聞こえないのですが、異物を巻き込む音がより臨場感を盛り上げます。
天候が雨の時なんかは、コーナーのイン側に水溜まりがあったりするのですが、ちゃんと水しぶきの音もしてきます。
また、エンジン以外の車両自体が発する音にも注目です。
ワイパーが動けば、実写と同じでゴムがすれる様な「ギュッギュ」という音もなる。ブレーキを踏めばパッドが擦れる金属音が聞こえてくるし、ロックした状況だとまた違う音が聞こえてくるので、車の操作にも役立ってくる。
さらに、車がダメージを受けた際にもパンクしたタイヤ、故障したトランスミッション、摩耗したブレーキから異音が響いてきて、焦燥感がよりスリルを掻き立ててくる。
イベントは3種類
競技種目は
- ラリー
- ラリークロス
- ランドラッシュ
の3種類で、残念ながら前作『DiRT Rally』にあったパイクスピークは無くなった。(どうやらグランツーリスモシリーズ制作会社のPolyphony Digitalに独占契約されてしまったようです・・・おのれ、山内氏!GTsport購入させて頂きます♪)
ラリー
本作のメインかつオススメの種目。
グループAあたりの時代から2016年に活躍した最新のラリーカーを使ったレースがメインの【ラリー】とグループB時代以前がメインの【ヒストリックラリー】の2本柱が存在する。
特にヒストリックラリーでは後輪駆動者が多く、操作がかなりシビアになる。ご存知グループBカーにいたっては4WD車でもアクセルを限界まで踏み込めば即コースアウトする様なじゃじゃ馬だ。
ラリークロス
後述するランドラッシュ同様に複数台の車で周回コースを競い合うレース。
FIA世界ラリークロス選手権公式ゲームに認定されており、コースがYourStage生成の物でなく、実在する世界大会のコースとなっている。
ランドラッシュ
ラリークロスとはまた一味違った複数台の車で周回コースを競い合うレース。
超小型のバギーか750~900馬力のモンスターピックアップトラックを使って跳ね回るのだが、ヒストリックラリーカーも真っ青なシビアさでクルクル回転する。
私としてはストレスが溜まるだけの苦手な種目です。
ラリーという”お祭り”感の演出
何度も比較対象として挙げているが前作『DiRT Rally』ではとにかくストイックに走ることだけが押されている感じであった。
しかし今作では、ラリーの大会という一つの”お祭り”という感じで、泥臭さだけでなく華やかさが添えられている。
例えば車両のチューニングやリペアを行うサービスエリアでは、エンジンルームが開けられていたり、ジャッキアップされていたりと如何にもメカニックがその場で作業しているという雰囲気が伝わってくる。
また、イベントで3位以上に入賞するとピカピカに洗車された車と共に表彰台に登り、大勢の観客の前で祝福される。
レースゲームなので走る要素は当然必要だが、こうしたイベント感としての華やかさを味わえるのも個人的には評価したいところである。
まとめ
ここまで、ダラダラと各項目について述べてきたが、「買いか否か」と問われれば、
買いだ!
ラリーはコースこそ、ゲームオリジナルの生成コースのみとなってしまいましたが、何時クラッシュするか分からないスリルとコースを制覇した時の爽快感は健在ですし、細かな環境音やイベントの節目節目にある演出が、また没入感を向上させよりゲームにのめり込ませていきます。
講座形式のチュートリアルや選べる操作モードにより初心者でも、参加しやすい点もグッド。
挙動など、走行中の操作感に関してはまた別の記事で。ただ、パッド操作でも十分楽しめるということだけは言っておこう。
唯一、惜しむべきはPSVRに“現時点では”非対応というところだ。前作はDLCとしてVR化に成功しているので、DiRT4でも将来的に有料か無料かは分からないが、VRに対応する可能性は十分にあるのではないかと思います。